現在のページ:TOPページ > 医療ジャーナリスト丸山寛之氏が綴る辛口コラム「それ、ウソです。」
結核に感染させたウサギに
「近ごろ、『日本一長生きした男─医師 原志免太郎』(千年書房、1996年刊)という本を読み、大変な興奮を覚えました。
独学で医師の検定資格をとり、京都府立医専(現在の京都府立医科大)に入学、九州帝国大医学部で灸の研究に取り組み、104歳まで聴診器を持ち、26万余のカルテを残した先人の足跡を辿り、
「志免太郎医師の晩年のアクティブな生き方には学ぶところが多く、故人とはいえ、私は彼を『同志』のように感じてファイトがわいてきました。」と結ばれる。
いつもながらの滋味豊かなエッセーを心にしみるように読んだが、3週間後の、同じ連載コラム「102歳 私の証 あるがまゝ行く」の文末の一節─。
「さて2日付のこの欄で、私は原志免太郎医師の健康維持の極意を『足の裏』の灸と記しましたが、正しくは『足三里』の灸でした。勘違いで、読者の方に教えて頂きました。」
仰ぎ見る高名な老師の、なんと謙虚なことばだろう。感動しました。
「足の三里」は、人体をめぐる12の
古人もその効能をさまざま称揚している。たとえば─、
「四十以後の人、身に灸を加えて三里を焼かざれば、
「三里を、毎日一壮づつ灸する人あり。これまた
「
「道祖神のまねきにあひて
「
三里の灸については、忘れえぬ面接取材の思い出がある。三昔も前の1982年1月、京都・清水寺に大西良慶
この年、茶寿(数え108歳)の新春を迎えた和上は、7、8歳のころ「全身が痛うて、痛うて、体が動けんようになった」とき、灸治療を受けて快癒した。以来、三里の灸を毎日、欠かさぬ習慣として100年になる。
「灸という字は“久しい火”と書くように1度や2度やったから効くというのではない。長くつづけないかん。おかげさまで病気をしません」とお話しくださった。30年前のその記事の全文をブログ「健康1日1話」に再掲しました。三里のツボの正しい探し方もわかります。ご一見ください。