現在のページ:TOPページ > 医療ジャーナリスト丸山寛之氏が綴る辛口コラム「それ、ウソです。」
赤ちゃんがタバコを食べた! と気がついたら、ニコチンによる中毒症状を起こす前に、ただちに食べたタバコを体外に出すようにしなくてはなりません。口の中に残っているタバコのカスを取り除き、牛乳を二、三本飲ませて吐かせます。(溝田弘著『さぁ大変!の医学』=ごま書房刊)
この助言の大きな間違いは、「牛乳を二、三本飲ませ」ること。牛乳を飲ませてはいけない。かえってニコチンの吸収を早めるからだ。もちろん、水もよくない。何も飲ませず、赤ちゃんののどに指を差し入れて…と、専門家は教えている。
たばこに含まれるニコチンは、けいれん、呼吸困難などの中毒症状を起こす。大人は40~60性帖併羇たばこ2~3本分)、幼児は10~20性帖米隠亜ィ~1本分)が致死量とされる。
子どもがたばこを誤飲したら、鼻から管を入れて洗浄液を流し込み、吸引する胃洗浄が行われることが多い。が、ほとんど場合、その必要はなく、子どもに重い負担をかけるだけだといわれる。
10年ほど前、日本小児科学会は、胃洗浄の必要性を論議する検討委員会を設けた。委員の山中龍宏医師らが調べたところ、たばこからニコチンが溶け出すには時間がかかるうえ、胃液のような酸性液の中では吸収がゆっくり進む。吸収されても、ニコチンの嘔吐反射で吐き出してしまうため重症になることはまれで、たばこの誤飲が原因の死亡例の報告もないことがわかった。
このため、紙巻たばこの場合、誤飲量が2属焚爾任△襪海箸確認できれば、指を乳児ののどに入れて吐かせるだけで十分と判断した。
「飲んだ量が不明でも中毒症状(嘔吐、よだれの増加、呼吸切迫、けいれんなど)が出ていなければ同じ処置でよく、4時間たっても症状が出なければ問題ない。ニコチンの吸収を早めるので、水や牛乳は飲ませてはいけない。たばこの成分が溶け出した水溶液を飲んだり、中毒症状が出た場合は、胃洗浄が必要」と山中先生は話している(毎日新聞1998年3月5日)。
乳幼児の誤飲の全責任は保護者にある。厚労省の「家庭用品にかかわる健康被害報告」によると、子どもが家庭内で起こす誤飲事故の半数は、たばこだ。お父さん(もしかしたら、お母さんも?)、気をつけてください!